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「売れる商品説明」:9つの効果的な手法

いくら自社商品が優れていても、その特徴をちゃんとユーザーに伝えられなければ商品は売れません。競合他社がいるような商品であればなおさら、自社商品の優れている部分をイメージしやすく魅力的に伝える必要があります。今回はそういった商品の魅力を効果的に伝える方法をご紹介します。

理想の顧客像を決めて直接語りかけるように

マーケティング業界では「ターゲットとなるユーザーの人物像を明確にしよう」とよく言われます。これを「ターゲットの解像度を高める」と言ったりもします。

要するに誰に対して商品を説明するかを明確にしておかないと、伝える言葉も、内容が薄いものになっちゃうんですね。

男性なのか女性なのか、家なのか仕事場なのか、歩いてる時か寝転がってる時か、様々なアイテムを利用する場所・時間・用途・使った時の利便性、そういったものが具体的にイメージできて魅力的に感じなければ人は物を買いません。

薄い言葉では、具体的なイメージも魅力的な利便性も伝わりません。内容が濃く分かりやすい言葉で文章を作るためには、明確な人物像が必要とされます。

まあ要するに500人規模のセミナーで話をする時と、一対一で話をする時とでは、話の内容が個人に特化しているかどうかの度合いが変わってきますよね。そんな感じです。

「理想の顧客」というのは

  1. 顧客単価が高い
  2. リピートしてくれる
  3. 口コミで広げてくれる
  4. 商品をより好きでいてくれる
  5. 購入者が多い層

など様々な観点から定義できます。なので感電次第では理想の顧客というのが変わってくるんですね。自分のストア・自分の商品において誰が一番のお客さんなのかをまずは考えてみるといいでしょう。

ベネフィットで魅了する

まずは悪い例からお伝えします。

プロでも勘違いするしてしまうベネフィットの事例

かつて日本は携帯電話で薄さと軽さをアホかというほど競っている時代がありました。確かにユーザーにとって薄かったり軽かったりすればある程度の利便性はあります。

ただユーザーは携帯で本当は何がしたいかというと、携帯電話を使って「より効率的にコミュニケーションを取りたい」「より効率的にインターネットを使いたい」などの欲求があるわけです。この欲求に比べれば「携帯が軽くあってほしい」「携帯が薄くあってほしい」というのは二の次です。

しかし当時の日本では薄さ1mmを争ったり重さ1gを争ったりしていました。今思えばアホらしいとすぐ分かりますが当時は開発者は皆本気だったわけです。

そこにiPhoneというものが出てきたわけですよね。一気に市場を持っていかれたわけです。これはユーザーが自分では自覚できていなかった潜在的な欲求をドンピシャで応えたのが大きいと言えます。

ちょっと極端な事例でしたがユーザーにとって何がベネフィットなのか。それを的確に捉えて、そのベネフィットを提供できる商品であることを分かりやすく伝えられるようにすることが大事です。

ベネフィットではなくメリットだけを伝えてしまう

「じゃあ商品のいいところを伝えよう」となるわけですが、商品の特徴にはメリットとベネフィットがあります。

まさに特徴というものはメリットだと思ってください。いわゆるスペックですね。その商品の機能の良いところがメリットです。

ベネフィットは何かというと、その商品を使うことでユーザーが何かしらの利益・恩恵を得るはずです。その利益・恩恵がベネフィットだと思ってください。

例えば携帯電話の通信速度を例にすると、、、極端な比較として

  1. 通信速度1キロバイト
  2. 通信速度1ギガバイト

と言った通信速度の違う携帯電話が2つあったとします。今例に挙げた通信速度自体はメリットですね。じゃあこれら2つを使うとどのようなベネフィットの違いが出るかというと

  1. 短文ならなんとか送信できる
  2. 超高画質動画をサクッとすぐ観れる

こんな感じの利便性の違いが出てきます。まあ極端な比較なので利便性も極端な違いが出てきますが、メリットとベネフィットの違いがわかるかと思います。

メリットだけ伝えるというのは、通信速度の違いだけを伝えるようなものです。ユーザーが携帯に対して詳しい人だったらベネフィットまで自分で考えて気づけるでしょう。ただそうでない人にとっては「通信速度が早い?だから何?」とはてなになってしまう可能性も十分にあります。なのでベネフィットを明確に伝えるために詳しくわかりやすい言葉を使って文章を書く必要があるわけですね。

具体的な表現を用いる

まあこれは感覚的にすでにしている可能性がありますが解説します。

例えばあなたがECサイトを作ろうとしていて制作会社をどこにしようか考えていたとします。そんな時に友人からこう言われたとしたらどうでしょう。

「制作会社探してるならA社がいいよ。あそこ凄いいいから。」

これじゃあ全く待って魅力が感じられますよね。本当にその会社がいいのかどうかも疑わしい。というか「何がどういう風にいいのか教えてくれ」となりませんか?

ではこのように言われたらどうでしょうか。

「制作会社探してるならB社がいいよ。問い合わせの段階から細かくヒアリングしてくれて、どういう機能を搭載して、どういうデザインにした方がいいのかも的確に教えてくれるよ。最近のデザインの流行りとかも事例で見せてくれたな。見積も細かい所まで明確なんだよね。詳細項目を書いてくれて、何にどれだけの金がかかるのか非常に分かりやすく記載されてたよ。それに複数のパターンで見積を提示してくれて、それぞれのパターンでどういったサイトが出来上がるのかの簡単なモックアップも見せてくれた。だからどれだけのお金をかければ、どういった品質のサイトができあがるか一発でイメージできたよ。大まかなスケジュールも教えてくれるから、いつまでに回答すれば、いつまでにサイトが出来上がるのかも早い段階でスケジュールがわかるわけ。上司に稟議通しやすかったわ。あと返信がすごい早いし、色々提案してくれるから、どんな観点でどのプランを決めればいいのかも考えやすかった。コミュニケーションのストレスなくてすごい助かった印象があるな。」

ちょっと極端に書いてみました。これを口頭で伝えられたら、B社のほうが良さそうに見えませんか?見えますよね??ね???(圧力ある顔)

今のは「制作会社」をお題にして書いてみましたが「商品」だったらどうでしょう?

「最高品質」

抽象的ですね。「なにが?」となる。これじゃあダメです。

「このバッグは高品質のイタリアンレザーを使用しており、耐久性に優れています。また、独自のデザインにより、日常使いからビジネスシーンまで幅広く活躍します」

これでもちょっと弱いですが、まだマシです。具体的な説明は、顧客が製品の特徴を具体的にイメージしやすくなります。あとは「製品の使用方法」や「メンテナンス方法」も伝えると良いでしょう。その時も独自のベネフィットがあれば、しっかりアピールできるように分かりやすい文章でかければ最高です。

裏付ける情報を加える

商品が「最高」や「最先端」であるという主張をする場合は、それを裏付ける具体的な情報やデータを加えます。技術的な詳細データ、独自の機能、市場での評価などを用いて、そのアピールを信用できるものにします。

たとえば、「当社のスマートウォッチは、最新の心拍数モニタリング技術を搭載しており、他の製品と比較しても精度が高い」といった具体的なデータや比較情報を提供することで、製品の優位性を強調します。

また、独立した第三者機関による評価や認証を引用することで、製品の信頼性をさらに高めることができます。

ただし、誰もがそういったデータを持っているとは限らないので無理にどこかに調査をしてもらってデータ書類を作ってもらうといったことはしなくていいでしょう。

もちろんそういった資料やデータがあるのであれば、大いに活用することをおすすめします。

ミニストーリーで感情に訴える

商品の背景にあるストーリーを語ることで、顧客の感情に訴えかけます。

商品がどのようにして生まれたか、それを作る人々の情熱や努力など、顧客が共感できるエピソードを交えることで、商品に対する興味を深めます。

たとえば、「このコーヒーブレンドは、南米の小規模農家が丹精込めて栽培した豆を使用しています。彼らの伝統的な栽培方法と、当社の独自の焙煎技術が融合し、独特の味わいを生み出しています」といったストーリーは、顧客に製品への深い理解と共感を促します。

また、製品の製造過程や素材の選定に関するエピソードを共有することで、製品への信頼感を高めることができます。

感覚を刺激する表現を用いる

視覚、聴覚、触覚など、顧客の感覚に訴えかける言葉を使います。これにより、顧客は商品を使った際の体験を想像しやすくなり、購入意欲を刺激します。

たとえば、「この香水は、春の訪れを感じさせるフローラルな香りが特徴で、ふんわりとした花々の香りが心地よいリラクゼーションを提供します」といった表現は、顧客が香りを想像しやすくなります。

また、「このクッションは、ふわふわとした触感が特徴で、長時間座っていても快適です」といった触覚に訴える表現は、顧客が製品の快適さを感じることができます。

顧客の声を活用する

実際の顧客のレビューや推薦の言葉を商品説明に取り入れることで、信頼性と説得力を高めます。他の顧客が商品に満足していることを示すことで、新たな顧客の不安を和らげることができます。

たとえば、「この製品を使ってから、私の肌の調子が格段に良くなりました」といった実際の顧客の声は、新たな顧客に製品の効果を信じてもらうための強力な証拠となります。

また、「このバッグは、毎日の通勤に欠かせないアイテムです。耐久性があり、スタイリッシュなデザインも気に入っています」といった具体的な使用例を提供することで、顧客が製品の実用性を理解しやすくなります。

読みやすさを重視する

商品説明は、明確で読みやすい形式で提供することが重要です。見出し、箇条書き、適切な余白とフォントサイズを使用し、顧客が情報を簡単に消化できるようにします。

たとえば、「製品の特徴」という見出しの下に、簡潔な箇条書きで製品の主要な特徴を列挙することで、顧客が重要な情報をすばやく把握できます。

また、製品の使用方法やメンテナンスのヒントを「使い方」という見出しの下に詳細に説明することで、顧客が製品を最大限に活用する方法を理解しやすくなります。

特に日本語だと、1文が長くなりがちです。そのため普段より短い文章で区切って伝えるように意識すると良いでしょう。目安としては40文字以内ぐらいが1文だと良いかと思います。

写真を活用する

文章も大事ですがやっぱり写真が一番大事。

特にアパレルなどの分野では、商品説明よりも写真が効果的な場合があります。魅力的な写真を多用し、顧客が商品を直感的に理解しやすくします。

たとえば、「このドレスは、エレガントなデザインが特徴で、さまざまなシーンで活躍します」という説明の隣に、モデルがドレスを着用している様々なシーンの写真を掲載することで、顧客が製品の多様性を視覚的に理解できます。

また、製品の細部や素材の質感をアップで撮影した写真を掲載することで、顧客が製品の品質をより詳細に確認できます。

  1. なるべく高画質
  2. その商品の全貌が見えるような画像
  3. 大きさがわかるような画像
  4. 使用しているシーンの画像
  5. その他スペックがパッと見てわかるような画像
  6. 使用効果のデータがあればそれが感覚的にイメージできるような画像

ざっくり書くとこういった要素の画像を揃えられるといいかなと思います。

ABOUT ME
さすー
2020年からShopifyに注力し、越境ECサイト構築をメインとして従事。海外のWebマーケティング企業に対してECサイト制作の支援を行い、制作部門の立ち上げにも関与。また書籍「はじめての越境EC・海外Webマーケティング」の執筆に協力。最近ではChatGPTなどの生成AIを活用したITソリューションにも取り組み、企業への導入実績もある。