グローバルな視点でのドメイン選定は、越境ECにおいて重要事項です。
短く覚えやすい名前の選定から、文化的感受性や社会的影響を考慮した選択まで、効果的なドメイン名を決定するための実践的な内容をお伝えしたいと思いますので、ぜひご参考ください!
ドメイン決定で注意したい10選
短くシンプルに
海外の人ってドメイン名をそのまま入力して調べることが割とあります。
「sample.com」というストア名なら、ブラウザの入力欄にそのまま「sample.com」と入力してエンターキーをポチッてやります。
「一発で目的のサイトが表示される→簡単で早い」という思考なわけですね。
だから長いドメインを嫌います。というか覚えられないから「なっが!!面倒だな〜」という印象を持つ。
なので「sample-gooditem-japan.com」とかもう嫌になっちゃう。
理想は1単語。イーロン・マスクが持っているドメインで「x.com」というのがありますね。これとか最高に最適化されたドメインです。ちょ〜覚えやすい。
従ってなるべく簡単で短いドメインにする必要があります。ハイフンとかまず使わないように。
国際的な響き
ドメイン名は多くの文化圏で理解しやすいものが望ましいです。特定の国や地域に限定されない名前を選びましょう。例えば、、、
Google.com
「Google」という言葉は特定の言語に属していません。独特なので最初は「グーグル?グーグルってなに?」と思われたものの。一気に認知が広がってしまえば世界中で認識しやすい単語です。また「Google」は独特ですが、どの国でも発音しやすく、覚えやすい単語です。
Amazon.com
「Amazon」は世界最大の川の名前。自然や広大さを連想させます。この名前は世界中で知られているのでオンラインショッピングの巨大な市場を象徴するのに適してました。
「あ〜アマゾンね。でかい川ね。オンラインショップか。なんでも揃ってるの?本当にアマゾンみたいだね。」という認知のしやすさを狙っているわけですね。
つまり「造語」は認知されるまでにマーケティングの労力が結構掛かりますが、認知されて覚えてもらえればとても強いブランドになります。
「イメージしやすい既存単語」は記憶しやすいので、より気軽に検索されたりドメインを直接入力されやすくなります。
造語でのブランド構築か、既存単語での早期認知獲得か。投下する予定のマーケティング資金&労力を考慮して決めていくとよいと思います。
英語を優先
基本的に英語が望ましいです。「任天堂」とかなら「nintendo」で通じますけどね。
他にも日本語がそのまま英語になっているもので「弁当」が「bento」とかもあります。でもこういった単語は少ない。
なんでできるだけスンナリ覚えらえる英単語がオススメです。
ちょっと悩ましいところだと「抹茶」がありますね。「matcha」でも通じたりするけど「greentea」のほうが分かりやすい。ただ「greentea」だと「緑茶」も含まれるので厳密には分けたい。なので「matcha」の方向で行く!と決めるパターンもありです。
もう、こればっかりは「時と場合による」なので、最終的にネイティブに確認したほうが良いですね。まぁ僕でしたらChatGPTやGeminiなどのAIとまずは相談します。
ブランドとの整合性
当然ですが、売る商品に関連する単語が望ましいです。ブランドとの整合性は十分に考慮したほうが良いでしょう。まぁこのあたりは当たり前すぎるので、詳細は割愛します。
商標の確認
選んだドメイン名が他の企業の商標を侵害していないか確認することをオススメします。法的な問題を避けるためにも重要です。
以下の方法を組み合わせることで、考えたドメイン名が既存の商標を侵害していないかどうかを効率的に調査できます。
オンライン商標データベースの利用
国内データベース
日本の場合、特許庁の「商標検索システム(J-PlatPat)」を利用して、既に登録されている商標を検索できます。
国際データベース
世界知的所有権機関(WIPO)の「グローバル・ブランド・データベース」や、欧州連合知的財産庁(EUIPO)のデータベースなど、国際的な商標を検索するためのリソースがあります。
インターネット検索
Googleなどの検索エンジン
提案されたドメイン名に類似する名前の企業や製品が既に存在するかどうかを調べるために、Googleなどの検索エンジンを使用します。
商標登録代理人または弁護士の利用
専門家の意見
商標の専門家や弁護士に相談することで、より詳細な調査と法的なアドバイスを得ることができます。特に国際的な商標の場合、専門家の意見は非常に価値があります。
商標登録オフィスへの問い合わせ
直接問い合わせ
日本の場合、特許庁に直接問い合わせて、特定の商標が登録されているかどうかの情報を得ることができます。
ソーシャルメディアとドメイン名のチェック
ソーシャルメディアの検索
Facebook、Twitter、Instagramなどのソーシャルメディアで、提案された名前が使用されているかどうかを確認します。
ドメイン名の可用性チェック
GoDaddy、Namecheapなどのドメイン登録サービスを利用して、希望するドメイン名が既に取得されていないかを確認します。
結構確認する方法はありますが、予算があったり顧問弁護士がいれば、最終的な確認を依頼したほうが無難です。商標の専門家や弁護士に相談も視野に入れてもらったほうが良いですね。
拡張子の選択
.com は最も一般的で信頼される拡張子ですが、.net や .org など、事業内容に合った拡張子を選ぶことも検討しましょう。
と言っても、まぁ「.com」が無難ですね。どうしても使いたいドメイン名で「.com」が使われていた場合は「.jp」「.co.jp」「.biz」あたりまでなら許容範囲ないかなと思います。
キーワードの使用
検索エンジン最適化(SEO)を考慮して、関連するキーワードをドメイン名に含めることが有効です。
ハイフンや数字を避ける
ハイフンや数字は入力ミスの原因になりやすく、また覚えにくいです。可能な限り避けましょう。
文化的な感受性
特定の単語が他の文化で否定的な意味を持たないか確認しましょう。文化的な誤解を避けるためにも重要です。
色の意味の違い
例えば、中国では赤色は繁栄と幸運を象徴しますが、一部の西洋文化では危険や警告の色として認識されることがあります。ドメイン名に色を含める場合、これらの文化的な違いを考慮する必要があります。
なので安易に色の単語を入れないほうが良いですね。とはいえ「greentea」とかは大丈夫です。要するにバランスなので十分な検討ができていればOKと思ってもらって大丈夫です。
言葉の意味
特定の言葉が異なる文化で異なる意味を持つことがあります。例えば、「gift」という単語は英語では「贈り物」を意味しますが、ドイツ語では「毒」を意味します。ドメイン名に使う言葉が、ターゲットとする国や地域で否定的な意味を持たないか確認することが重要です。
宗教的感受性
宗教的な言葉やシンボルをドメイン名に使用する場合は特に注意が必要です。例えば、イスラム教徒にとっては「Allah」(アラー)やその他の宗教的な用語を商業的な文脈で使用することは不適切と見なされる可能性があります。
「Allah」(アラー)なんて、間違っても使わないので心配ないと思います。しかし2個の単語をハイフンを使わずに並べた際に、偶然にも良くない意味合いが発生してしまう可能性はゼロではありません。ご注意ください。
社会的な影響を考慮
ドメイン名が社会的な問題や感度の高いトピックに関連していないか確認しましょう。不適切な印象を与えないように注意が必要です。
政治的な用語
政治的に敏感な用語やスローガンをドメイン名に含めると、特定の国や地域でのアクセスが制限されたり、ネガティブな反応を引き起こす可能性があります。例えば、「revolution」(革命)などの言葉は一部の国では敏感に扱われることがあります。
社会的な問題
人種、性別、性的指向などの社会的な問題に関連する用語は、特に慎重に扱う必要があります。これらの用語をドメイン名に含めると、意図しない議論や批判を引き起こす可能性があります。
ちょっと極端な例を上げてみます。
特定の人種を指す用語
例えば、「BlackLivesMatter.com」や「WhitePower.com」のようなドメイン名は、人種問題に直接関連しており、強い感情や政治的な議論を引き起こす可能性があります。これらの用語は、特定の社会的運動やイデオロギーに関連しているため、使用する際には非常に慎重である必要があります。
まぁ割りとスグに「あれ?まずいのでは?」とピンときやすいかと思います。あんまり気にしないで「yellowpower.com」とか使ってしまうと黄色人種を応援したり、特別視したりしている印象を受ける人も一定数発生する可能性があります。
「え?そんな受け取り方されるの?」と問題が発生してからでは遅い場合があるので、慎重な検討が必要です。
性別に関連する用語
「FeminismNow.com」や「MensRightsWorld.com」のようなドメイン名は、ジェンダーの平等や性別に関する議論を引き起こす可能性があります。これらの用語は、特定のジェンダーに関連する運動や議論に直結しているため、社会的な感度が高いです。
性的指向に関連する用語
「PrideParade.com」や「AntiGayRights.com」のようなドメイン名は、性的指向や性自認に関する強い意見や感情を持つ人々の間で議論を引き起こす可能性があります。これらの用語は、LGBTQ+コミュニティやそれに対する反対運動に関連しており、社会的に敏感なトピックです。
「AntiGayRights.com」このドメインは使わないと思います。でも「PrideParade.com」このドメインは日本人は何も考えずに使ってしまうかもしれませんね。完全な個人的感想ですが。
めっちゃくちゃ極端な例をあげましたが、これらの例はドメイン名に社会的な問題に関連する用語を含める際の潜在的なリスクを示しています。
特に、人種、性別、性的指向などのトピックは、多くの国や文化で敏感に扱われるため、これらの用語を使用する際には、その社会的な影響と受け取られ方を慎重に考慮する必要があります。
歴史的な背景
特定の歴史的な事件や人物に関連するドメイン名は、一部の文化や国で否定的な反応を引き起こす可能性があります。例えば、特定の歴史的な戦争や紛争に関連する名前は、関連する国々で敏感に受け止められることがあります。
これらの事例は、ドメイン名を選ぶ際に文化的な感受性と社会的な影響を考慮する重要性を示しています。特に国際的な視野でビジネスを展開する場合、これらの要素はブランドのイメージや成功に大きく影響を与える可能性があります。
まとめ
このブログでは、海外向けにドメインを選定する際の重要なポイントについて詳しく掘り下げました。まず、ドメイン名は短く、覚えやすく、国際的な響きを持つものが望ましいです。英語の使用を優先し、ブランドとの整合性を保ちながら、商標の侵害がないかを慎重に確認することが重要です。また、適切な拡張子(.com、.jp、.co.jp、.netなど)の選択は、ターゲットオーディエンスとビジネスの性質に基づいて行うべきです。
さらに、ドメイン名には文化的な感受性と社会的な影響を考慮する必要があります。特に、人種、性別、性的指向などの社会的な問題に関連する用語の使用は、意図しない議論や批判を引き起こす可能性があるため、非常に慎重に扱う必要があります。例えば、「yellowpower.com」のようなドメイン名は、特定の人種を応援する印象を与える可能性があり、誤解や敏感な反応を招くリスクがあります。
最終的に、ドメイン名はビジネスの顔とも言えるため、国際的な市場での成功を目指す際には、これらの要素を総合的に考慮し、慎重に選定することが不可欠です。適切なドメイン名は、ブランドのイメージを強化し、幅広いオーディエンスにアピールするための重要なステップとなります。
ドメイン一つ取ってもこれだけ慎重に十分な検討が必要になりますのでご注意ください。