Shopify

国ごとの自動リダイレクトがShopifyデフォルト機能で設定できるように進化

越境ECでは訪問した

  1. ユーザーの母国語で閲覧できること
  2. ユーザーの現地通貨で商品金額を閲覧できること

が購入率に影響を与えることは感覚的に理解できるかと思います。今までのShopifyでは、どこの国からアクセスしているかを検知して、その国に合わせて表示を切り替える機能はアプリに頼っていました。2024年1月15日時点でこの機能がデフォルト機能として実装されたと公式の発表がありました。今回はその設定について詳細内容を確認し解説したいと思います。

公式発表内容

Shopify公式【更新ニュースページ】

Shopifyには【ChangeLog(チェンジログ)】という、アップデート内容をすぐに公式発表するページがあります。Shopifyシステムは非常に更新頻度が高いため、このようなページを毎日チェックしておくことをオススメします。

このチェンジログに2024年1月15日に新しいデフォルト機能の実装の発表がありました。ユーザーのブラウザーで設定されている言語に合わせて、言語や通貨が自動的に切り替わるという機能です。

もちろん言語・通貨それぞれが設定されていなければ自動できない切り替わらずに基軸言語・基軸通貨の表示のままとなります。

原文がこちら。

JANUARY 15, 2024

Redirect visitors to translated storefronts based on their browser language

It is now possible for merchants to automatically redirect visitors to translated storefronts with the Language redirection setting within Markets. Language redirection will detect a visitor’s browser language and automatically switch the storefront to match, when that language is available. For a language to be available to visitors, it has to be added to your store, assigned to relevant markets, have translations added, and be published. For example, if your domain is johns-apparel.ca and your Canada market’s default language is English, when language redirection is activated, a visitor from Canada that has their browser’s primary language set to French will automatically be redirected to johns-apparel.ca/fr, where the storefront is in French.

Learn more about Language Redirection in the Shopify Help Center.

Shopify Change Log(https://changelog.shopify.com/posts/redirect-visitors-to-translated-storefronts-based-on-their-browser-language)

日本語訳がこちら。

2024 年 1 月 15 日

訪問者をブラウザ言語に基づいて翻訳されたストアフロントにリダイレクトします

販売者は、マーケット内の言語リダイレクト設定を使用して、訪問者を翻訳されたストアフロントに自動的にリダイレクトできるようになりました。言語リダイレクトは、訪問者のブラウザ言語を検出し、その言語が利用可能な場合には、それに合わせてストアフロントを自動的に切り替えます。訪問者が言語を利用できるようにするには、その言語をストアに追加し、関連する市場に割り当て、翻訳を追加して公開する必要があります。たとえば、ドメインが でjohns-apparel.ca、カナダ市場のデフォルト言語が英語の場合、言語リダイレクトがアクティブ化されると、ブラウザの主言語がフランス語に設定されているカナダからの訪問者は、johns-apparel.ca/frストアフロントがフランス語になる に自動的にリダイレクトされます。

言語リダイレクトの詳細については、Shopify ヘルプセンターをご覧ください。

Shopify Change Log

自動切り替わり2パターンをサックリ解説

自動切り替わり機能として

  1. ブラウザ言語に基づいて切り替わる
  2. IPアドレスに基づいて切り替わる

の2種類があります。

「1」は文字通り「ブラウザに設定されている言語」に基づきます。例えば、とある日本人が「日本語」を表示するブラウザを使っていたとしましょう。当然ブラウザ言語は「日本語」が設定されています。この日本人が海外旅行か海外ビジネスなどで日本以外にいたとしてもブラウザの言語設定は「日本語」なので、ECサイトも日本語に自動的に切り替わります。

「2」はアクセスした場所の国に基づきます。日本人でもアメリカからアクセスすれば、ECサイトは「英語」を表示します。

今回のShopifyデフォルト機能は「1」の「ブラウザ言語に基づいて切り替わる」機能が採用されているわけですね。

自動リダイレクトの簡単設定さっくり解説

管理画面ホームの左下にある「設定」をクリック。

「マーケット」をクリック。そして「各種設定」をクリック。

「自動リダイレクト」の右横にあるボタンをクリック。

これで設定は完了です。簡単でしょ。

ちゃんと動かすためにはマーケットの設定が必要

自動リダイレクトの設定は拍子抜けすらするほどにとても簡単だったと思います。ただマーケット自体の基本的な設定ができていないとそもそも機能しません。

基本的なマーケットの追加方法については、後日詳細をブログでアップする予定です。ですがすぐ知りたい方もいらっしゃると思うのでshopifyのヘルプセンターページのリンクを貼り付けておきますのでこちらからご覧ください。

https://help.shopify.com/ja/manual/markets/managing-marketshttps://help.shopify.com/ja/manual/markets/managing-markets

ドメインの設定内容による細かな違いの解説

越境ECの場合、仮に「教科書のような理想的なドメインの設定」があるとするならば、それは「国ごとにサブドメインもしくはサブフォルダが設定されている」事です。例えば、、、

  1. アメリカ:.com
  2. 日本:.jpや.co.jp
  3. フランス:.fr
  4. ドイツ:.de
  5. カナダ:.ca

といった具合に国ごとにサブドメインが設定されているなどといった状況です。この設定の場合はブラウザの言語設定が日本語であれば日本語・円を表示。フランス語が設定されていればフランス語・ユーロを表示。ドイツ語が設定されていればドイツ語・ユーロを表示。といった具合の表示内容です。

同じドメインを共有している場合

例えばこんな感じ

  1. アメリカ:.com
  2. カナダ :.com

そしてこの時言語と通貨の設定に関してはこんな感じだったとします。

  1. アメリカ:英語、米ドル
  2. カナダ :英語、カナダドル

つまりはマーケットの設定がこのようになっていた場合を仮定します。

  1. メインマーケット:アメリカ(.com、英語、米ドル)
  2. サブマーケット :カナダ(.com、英語、カナダドル)

上記の場合、ECサイトにアクセスしてきたユーザーが下記のような状況だったとします。

  1. ブラウザ言語:英語
  2. カナダからアクセス

これだけの情報だと、ブラウザの言語設定は「英語」なのでECサイトの言語も英語で表示されることは簡単にイメージできるかと思います。ですが通貨は米ドル・カナダドルどちらが表示されるのかというと、訪問者の位置情報を自動検出して表示されるようになります。訪問者がカナダにいた場合は、金額はカナダドルで表示されることになります。

やや複雑に感じられるかもしれませんが設定内容によっては上記のようなパターンがありえます。

EU圏での自動リダイレクトの動き

ではECEUの場合はどうでしょうか。個人情報保護が厳しかったりなど現地の法律に準拠するために若干動きが変わってきます。

端的に言うと「自動リダイレクトされない」というのが結論です。

  1. ドイツのマーケットにjohns-apparel.deドメイン
  2. フランスのマーケットにjohns-apparel.frドメイン

を使用している場合、johns-apparel.deにアクセスしたフランスの訪問者は自動的にリダイレクトされません。

この場合は、言語切り替えボタンや、通貨切り替えボタンを使ってもらって、ユーザー自身で見やすいものを選んでもらうことになります。

ABOUT ME
さすー
2020年からShopifyに注力し、越境ECサイト構築をメインとして従事。海外のWebマーケティング企業に対してECサイト制作の支援を行い、制作部門の立ち上げにも関与。また書籍「はじめての越境EC・海外Webマーケティング」の執筆に協力。最近ではChatGPTなどの生成AIを活用したITソリューションにも取り組み、企業への導入実績もある。